デザイン『眉の形の移り変わり』 シェイビー通信 vo2
2016.06.20 / シェイビー通信
シェービングは私たち理容師だけに許された技術です。
だからこそ、最新の技術・衛生・知識が必要になります。
堅苦しい文頭で入りましたが、この「シェイビー通信」は、もっと気楽な感じで読んで下さい。
じつは私、顔剃りが苦手なんです。苦手と言うか、トラウマがあります。
今も忘れはしない修行二年目の頃、顔剃りとシャンプーばかりさせられていました。「させられていた」と言うと語弊がありますね・・・しかできませんでした。(苦笑)
しかし、顔剃りばかりしていると、自信も湧くものです。お店の中で自分が一番顔剃りが上手いんじゃないかと過信していた頃、うたた寝していたお客様の顔を思いっきり切ってしまったのです。それいらい、今でも気持ちよく寝ているお客様の顔を剃る時はドキドキです。
ま~私の話はこれぐらいにして、そんな苦手な顔剃りのなかでもレディースシェーブのお話を。
女性の顔そりで難しいのは初めてのお客様ですよね。肌の状態も気になりますが、額の形や眉毛などは更に気を使います。昔は基本富士額でしたが、今は額の広さや形などでハート型や丸くもしますよね。
産毛が濃い人などは形がはっきり出てしまうので、お客様に確認をしながら剃る事が大事です。 問題は眉毛です。眉の形はお客様自身でも手入れをしていますし、左右対象でもありません。また濃い人、薄い人などで剃る時に、はっきりと形が出てきます。眉の形には、その人の顔立ちや好みもありますが、流行りもありますよね。
基本的な眉の形
女性の場合、眉の形はメイクで補えます。今は、眉の刺青などがありますが、メイク時間の短縮の為には自分の眉の手入れが不可欠です。その為に私達(男性陣)も、眉毛の流行りを勉強しなくてはいけません。
1950年代
この戦後の時代には、欧米のファッションが取り入れられ、映画女優がオシャレの手本となりました。オードリー・ヘップバーンの様な太く短めの直線眉に憧れた女性が多くいましたよね。
1960年代
イギリスの女優、モデル、歌手でもあるツィッギーが来日し、「ミニスカの女王」とも呼ばれその容姿に日本女性は魅了され、眉は細くて丸いラインをまねました。
1970年、80年代
団塊ジュニアのバブル時期は、トレンディードラマなどで有名になったW浅野(浅野ゆう子・浅野温子)や『夕やけニャンニャン』から飛び出したおニャン子クラブが大ブレイク。ワンレン・ボディコンが流行語となり、黒髪に太い眉毛が主流。その後、バブル後期には前髪だけ上にカールしたり、ソバージュをかけたりするスタイルが流行。ただ、黒髪極太眉毛は不動人気でした。
そう!皆さんがディスコでフィーバーしていた時代です。(もう死語ですね・・・(汗)
1990年代
血気盛んだったバブル時代が崩壊!
安室奈美恵に憧れるアムラーや、渋谷109のカリスマ店員、ガングロ・コギャルが増殖し、細眉毛が復活!
2000年代
芸能界では浜崎あゆみ・倖田來未など派手目の女性や、ファッション雑誌では『小悪魔ageha』の創刊とともにアゲ嬢が登場し、キャバ嬢メイクが道股を賑わしました。
このころのメイクは、付けまつ毛で目を強調するアイメイクがポイントになり、眉は形を整えて薄いブラウンにするのが流行。
2010年代
現在は、また自然な太めの眉が流行りだし、眉の形の流行は常に変化し、繰り返されているのがわかりますよね。
眉の移り変わりの訳
その時代に流行ってきた眉の形や太さには、性格や世相を表している事も分かっています。
一概には言えませんが、眉の濃い・薄いでは、その人の情の濃さ・深さがわかり、眉の太さは、その人の意思の強さ、力強さをみることができます。
その事から、眉の太い80年代は、女性の意志の強さが強調され、男女雇用機会均等法も制定されました。逆に景気が下落した90年代は、女性らしさ・弱さを強調する細い眉毛が戻ってきています。現在の太眉は、バブル期と違っておとなしい印象の「薄太眉」がトレンドで、この背景には自然な眉毛を生かした女優やモデルの人気が高まったこともあるらしいが、周りの空気を読み、強い自己主張をあえて避ける風潮を反映しているようです。女性は眉の形で男性らしい強さを見せたり、女性らしさを強調し男性に媚びたりもできるのです。そんな眉に騙された男性も少なくはないでしょうか・・・。
今回は、女性の眉毛について書かせていただきましたが、男性の眉毛も時代の流れがあります。男性の眉毛は個人差(職業)が重要なので、皆さんがお客様に合わせた眉の形をオススメ下さい。