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「コロナウイルスと脱毛」シェイビー通信vo17

2021.09.10 / 髪の知識

長引くコロナ禍にあって目下、髪の毛に関する
トラブルの報告が目立つようになってきています。

大きく分類すると
ウイルスに直接起因するものと
直接でなくコロナ禍の生活変容によるもの
に分けられます。

ウイルスに起因する脱毛症

新型コロナウイルス感染症の後遺症として
臭覚味覚の異常・重い倦怠感・記憶障害
脱毛などがあります。
感覚障害と倦怠感は感染初期から発生し
症状の持続期間はかなりの個人差があり
感覚障害(嗅覚・味覚)については
完治しないケースもあると言われています。
記憶障害は年齢差が大きく、高齢者の場合は
加齢によるものとの判別が困難となっております。
では、「コロナ後遺症脱毛」ですが
実際に、新型コロナウイルスに感染して入院し、
すでに退院した患者に国立国際医療研究センターが
調査した結果、発症から120日の間に抜け毛を訴えた人は
58人中14人 おおよそ4人に1人という発症率です。
その症状の持続期間は、平均76日だったという。
データが出ており、感染症が完治してから
2,3ヵ月後に発現するケースが多いとされています。
後遺症としては最も遅く発現します。

東京医科大学の坪井良治名誉教授によると
「例えばネズミなどの齧歯(げっし)類では、
ある時期に一斉に毛が生え、また別の時期に一斉に抜けます。
これに対し、人間は毛髪一本一本で毛周期が異なっており、
通年で均一の毛量を保っています。
ところが、出産後の急激な女性ホルモンの低下やダイエット、
感染症などによる高熱、消耗があると毛周期の同調が起き、
脱毛が生じることがあるのです」

ヘアーサイクル
人間の毛髪は常に成長期→退行期→休止期→脱毛→成長期・・・
というヘアーサイクルを1本1本の毛髪が
グルグル回っているのですが
こうしたヘアーサイクルのうち
感染症によって身体が消耗状態になり、
毛根に栄養が十分に供給されないことで
サイクルがストップし
成長期に移行せず休止期の毛髪が多くなり
休止期に移行→脱毛することを
「休止期脱毛症」といいます。
坪井名誉教授によると
「ウイルスが直接毛根へ作用するわけではなく、
新型コロナウイルスの場合には全身の炎症反応が
強かったり循環障害を起こしやすかったりするため、
これが他の感染症と比較して脱毛が多い原因となって
いるのでしょう」とのこと

現時点で、コロナ後遺症による脱毛に有効な治療法としては、
新型コロナウイルス感染症で発症するものは、
「AGAや女性型脱毛症に有効なミノキシジルは、
休止期にある毛包を成長期に移行させる効果があります」と
しております。
新型コロナウイルス感染症の後遺症としては
4人に1人と発現はしやすいものの、比較的
完治がしやすいというのも特徴です。
罹患で苦しい思いをしてからの発現ですので
心を痛めることと思いますが、ヘアーサイクルの平常化で
完治できる後遺症です。

ウイルスに起因しない脱毛症

コロナ禍になってから
円形脱毛症の発症報告も多く受けていますが、
円形脱毛症は以前は「円形脱毛症といえばストレス」という
イメージが強かったのですが、現在ストレスは直接的な原因
というより、円形脱毛症が起こりやすい状態を作り出す間接
的な要因と考えられています。
過度な精神的ストレスは、円形脱毛症の原因として有力視され
ている自己免疫疾患や内分泌疾患の引き金となることがあります。
またストレスをためこんだ状態が続くと、
交感神経に異常をきたす可能性があります。
交感神経が活発に働くと血管が収縮した状態になり、
頭皮の血流が悪くなります。髪や頭皮への影響が十分に
行き届きにくくなることから、脱毛が発症しやすくなります。

現時点で、円形脱毛症に有効な治療法としては、
過剰な免疫機能をリセットするために
局所的に炎症を起こさせる「局所免疫療法」
ステロイドによる免疫機能抑制
毛母細胞を刺激する「ミノキシジル」
局所的に刺激を与える「鍼治療」などが
あります。

ただでさえストレス社会と云われる現代で
このコロナ禍となるとストレスがあって当たり前。
日常でストレスをためすぎないよう気をつけ、
適度な運動をしたり、自然と触れ合ってリフレッシュしたりと
自分なりのストレス解消方法を見つけておきましょう。